コラム

配偶者控除と配偶者特別控除の違いは?分かりやすく解説!

配偶者控除と配偶者特別控除の違いは何でしょうか。年末調整になると気になる自身の収入と配偶者の収入。一般的に良く言われている「○○○万の壁」とは?
一体どれくらいの収入になると、何の控除が受けられるのか、受けられなくなるのか、それぞれの違いを詳しく解説していきます。

目次

  • 配偶者控除とは
    • 控除対象配偶者となる人の範囲
    • 配偶者控除の金額
  • 配偶者特別控除とは
    • 配偶者特別控除を受けるため要件
    • 配偶者特別控除の金額
  • 配偶者控除と配偶者特別控除の違いとは
    • ○○○万の壁とは
  • まとめ

配偶者控除とは

配偶者控除とは、対象となる配偶者がいる場合に受けられる、所得控除のひとつです。簡単に言うと、定められた収入以下の配偶者がいる場合に、納税者にかかる税金を軽減できる制度です。各要件を確認していきます。

控除対象配偶者となる人の範囲

配偶者控除は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は適用を受けられません

控除対象配偶者とは、納税者本人の合計所得金額1,000万円以下、かつ次の4つの要件にすべて当てはまる人です。

  • ① 民法の規定による配偶者であること(内縁関係は非該当)
  • ② 納税者と生計を一にしていること
  • ③ 年間の合計所得金額が48万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  • ④ 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと

配偶者控除の金額

控除を受ける納税者本人の
合計所得金額
控除額
一般の控除対象配偶者 老人控除対象配偶者
900万円以下 38万円 48万円
900万円超950万円以下 26万円 32万円
950万円超1,000万円以下 13万円 16万円

※1、配偶者が障害者の場合には、配偶者控除の他に障害者控除27万円(特別障害者の場合は40万円、同居特別障害者の場合は75万円)が控除できます。

配偶者特別控除とは

配偶者に48万円を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられなくても、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを配偶者特別控除といいます。

配偶者特別控除を受けるための要件

  • ① 控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であること
  • ② 配偶者が次の要件すべてに当てはまること
    • 民法の規定による配偶者であること(内縁関係は非該当)
    • 控除を受ける人と生計を一にしていること
    • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと
    • 年間の合計所得金額が48万円超133万円以下であること
  • ③ 配偶者が、配偶者特別控除を適用していないこと
  • ④ 配偶者が、給与所得者の扶養控除申告書または従たる給与についての扶養控除申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として、源泉徴収されていないこと(配偶者が年末調整や確定申告で配偶者特別控除を受けなかった場合を除きます)

配偶者特別控除の金額(令和2年度以降)

配偶者の合計所得金額 控除を受ける納税者本人の合計所得金額
900万円以下 900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下
48万円超 95万円以下 38万円 26万円 13万円
95万円超 100万円以下 36万円 24万円 12万円
100万円超 105万円以下 31万円 21万円 11万円
105万円超 110万円以下 26万円 18万円 9万円
110万円超 115万円以下 21万円 14万円 7万円
115万円超 120万円以下 16万円 11万円 6万円
120万円超 125万円以下 11万円 8万円 4万円
125万円超 130万円以下 6万 4万円 2万円
130万円超 133万円以下 3万円 2万円 1万円

配偶者控と配偶者特別控除の違いとは

配偶者控除と配偶者特別控除の解説をそれぞれしてきましたが、両者の違いは、簡単に言うと配偶者の所得金額の違いです。

配偶者の所得金額

  • 48万円(収入103万円)以下 … 「配偶者控除」
  • 48万円以上、133万円(収入201万円)以下 … 「配偶者特別控除」

○○○万の壁とは

配偶者がパートやアルバイト等で働くときに、よく言われるのが○○○万円の壁です。この壁と言われる年収の目安は配偶者控除や配偶者特別控除の目安として言われています。

103万の壁

103万円とは「配偶者控除」が適用される範囲の上限額です。納税者本人の収入が1,095万円なら満額の控除が受けられます。

130万の壁

年収が130万円を超えると勤務先の社会保険に加入しなければなりません。例えば夫が会社員で妻がパートの場合、妻の年収が130万円を超えた場合、妻は扶養から外れることになります。

150万の壁

150万円とは「配偶者特別控除」が満額適用される範囲の上限額です。150万円以内であれば、「配偶者控除」と同じく満額の38万円の控除が受けられます。150万円を超えると段階的に控除額は引き下げられ、201万円を超えると、「配偶者特別控除」を受けることができなくなります。

まとめ

今回は配偶者における控除について解説しました。夫婦が共働きする家庭も増えている中で、配偶者控除に関するあり方も議論が続いています。要件が変われば配偶者の働き方も変えていかなければならないでしょう。
現状、世の中の動きに合わせて法律も変わっていくために、給与関連業務はより複雑化しています。
月次の給与計算や、年末調整において税金の計算を正しくするためにも、扶養状況は常に正しく把握していることが大切です。

給与担当の人員不足や社員の育成にお悩みであれば、給与計算アウトソーシングをご検討してはいかがでしょうか。
MASONにぜひお気軽にお問い合わせください。

出典:
国税庁「No.1191 配偶者控除」
国税庁「No.1195 配偶者特別控除」

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