コラム

算定基礎届とは?概要や算定方法を解説

算定基礎届とは社会保険料を決定するための重要な届出です。実際に支給されている報酬と、決定している報酬月額との間に大きな差が生じないように、事業主は毎年1回算定基礎届を提出するように定められています。

算定基礎届の概要や算定方法を解説していきます。

目次

  • 1. 算定基礎届(定時決定)とは
    • 定時決定と随時決定
    • 対象者の範囲
  • 2. 報酬月額の算定方法
    • 算定基礎届における報酬
    • 支払基礎日数とは
  • 3. 算定方法の具体例
  • 4. 算定基礎届の提出について
  • 5. まとめ

算定基礎届(定時決定)とは

定時決定と随時決定

定時決定とは毎年1回、原則として7月1日現在の被保険者全員について、4月・5月・6月に受けた報酬の届出を行い、その年の9月以降の標準報酬月額を決定します。これを「定時決定」といい、定時決定を行うために提出する届出書を「算定基礎届」といいます。

標準報酬月額は、原則として次の定時決定までの間、変更しません。しかし、昇給などによって報酬の額が著しく変動した場合、被保険者の実際に受ける報酬との間に隔たりが生じることになります。著しい変動のあった月以降の3ヶ月の報酬をもとに、4ヶ月目から標準報酬月額を改定することを「随時決定」といい、随時決定を行うために提出する届出書を「月額変更届」といいます。

対象者の範囲

対象者は7月1日現在の被保険者全員ですが、6月1日以降に資格取得した人などは除きます。

対象となる人

  • 5月31日以前に入社(資格取得)した被保険者で7月1日現在、在職中の人
  • 7月1日以降に退職(資格喪失日:7月2日以降)する人
  • 欠勤中または休職中(育児休業・介護休業を含む)の人

対象とならない人

  • 6月1日以降に入社(資格取得)した被保険者
  • 6月30日以前に退職(資格喪失日:7月1日以前)した人
  • 7月に月額変更届・育児休業等終了時変更届・産前産後休業終了時変更届を提出する予定の人

報酬月額の算定方法

算定基礎届における報酬

報酬とは

対象となる報酬は、賃金、給料、俸給、手当、賞与などの名称を問わず、労働者が労働の対償として受けるすべてのものをいいます。

また、金銭に限らず、通勤定期券、食事、住宅など現物で支給されるものも報酬に含まれます。ただし、臨時に支給されるものや、年3回以下の賞与等は報酬に含みません。

報酬となるもの 報酬とならないもの
通貨で支給
  • ○ 基本給(月給、週給、日給など)
  • ○ 諸手当(残業手当、通勤手当、
    住宅手当、
    家族手当、役付手当、
    休業手当、
    扶養手当、継続支給の見舞金など)
  • ○ 賞与(年4回以上) 等
  • ○ 見舞金、慶弔費など
  • ○ 解雇予告手当、退職金など
  • ○ 出張旅費、交際費など
  • ○ 年金、恩給、傷病手当金など
  • ○ 賞与(年3回以下) 等
現物で支給
  • ○ 食事、食券など
  • ○ 社宅、寮など
  • ○ 通勤定期券、回数券など
  • ○ 給与としての自社製品など 等
  • ○ 食事(本人負担額が標準価額により
    算定した額の3分の2以上の場合)
  • ○ 住宅(本人負担額が標準価額により
    算定した額以上)
  • ○ 被服(事務服、作業服など) 等

支払基礎日数とは

支払基礎日数とは、その報酬の支払い対象となった日数のことをいいます。

時給制・日給制の場合は、実際の出勤日数(有休含む)が支払基礎日数となります。

月給制の場合は、出勤日数に関係なく暦日数になります。ただし、欠勤日数が減額される場合は、就業規則、給与規定等に基づいて事務所が定めた日数から欠勤日数分を差し引いた日数が支払基礎日数となります。

給与計算の締切日と支払日の関係

支払基礎日数は給与計算の締切日と支払日数の関係によって異なります。

【例】月給制の場合
◆ 月末締、当月末払
暦日 支払基礎日数
4月 4/1~4/30 30
5月 5/1~5/31 31
6月 6/1~6/30 30
◆ 25日締、当月末払
暦日 支払基礎日数
4月 3/26~4/25 31
5月 4/26~5/25     30
6月 5/26~6/25 31
◆ 月末締、翌月10日払
暦日 支払基礎日数
4月 3/1~3/31 31
5月 4/1~4/30 30
6月 5/1~5/31 31

算定方法の具体例

4月・5月・6月(「算定対象月」)に被保険者に支払われた報酬の平均額(報酬月額)を計算します。定時決定は算定対象月のうち、支払基礎日数17日以上の月の報酬で算定しますので、17日未満の月がある場合は除外して計算します。

① 支払基礎日数が3ヶ月とも17日以上

⇒ 3ヶ月が対象
3ヶ月間に支払われた報酬の合計を「3」で割った額が報酬月額

② 支払基礎日数17日未満の月が1ヶ月ある

⇒ 支払基礎日数17日以上の2ヶ月を対象
2ヶ月間に支払われた報酬の合計を「2」で割った額が報酬月額

③ 支払基礎日数17日未満の月が2ヶ月ある

⇒ 支払基礎日数17日以上の1ヶ月のみを対象
1ヶ月分が報酬月額

一般的な場合(3ヶ月とも支払基礎日数17日以上)
支払基礎日数 基本給 家族手当 残業手当 通勤手当 合計
4月 31 320,000 25,000 45,000 10,000 400,000
5月 30 320,000 25,000 37,000 10,000 392,000
6月 31 320,000 25,000 22,000 10,000 377,000

報酬月額

400,000円+392,000円+377,000円=1,169,000円(総計)

1,169,000÷3=389,666円(1円未満切捨)

決定標準報酬月額 ⇒ 健保 380,000円 厚年 380,000円

基礎日数に17日未満の月がある
支払基礎日数 基本給 家族手当 残業手当 通勤手当 合計
4月 31 320,000 25,000 45,000 10,000 400,000
5月 11 176,000 25,000 0 10,000 211,000
6月 31 320,000 25,000 22,000 10,000 377,000

報酬月額

400,000円+377,000円=777,000円(総計) ※4月と6月の平均額

777,000÷2=388,500円(1円未満切捨)

決定標準報酬月額 ⇒ 健保 380,000円 厚年 380,000円

賞与が年に4回以上支給

給与規定などによって年4回以上支給されることが定められている賞与

支払基礎日数 基本給 残業手当 賞与 通勤手当 合計
4月 31 320,000 45,000 75,000 10,000 450,000
5月 30 320,000 37,000 75,000 10,000 442,000
6月 31 320,000 22,000 75,000 10,000 427,000

※賞与が年4回以上、総額900,000円支給
⇒900,000円÷12ヶ月=75,000円 ※報酬に加える

450,000円+442,000円+427,000円=1,319,000円

1,319,000÷3=439,666円(1円未満切捨)

決定標準報酬月額 ⇒ 健保 440,000円 厚年 440,000円

上記の他にも、短時間労働者や、中途入社、休業手当の支給など、様々なケースごとにルールがあるので、注意して記入しましょう。

算定基礎届の提出について

提出期限

7月1日から7月10日まで

提出先

電子申請、日本年金機構(年金事務所、年金事務センター)、健康保険組合

提出書類

  • 被保険者報酬月額算定基礎届(70歳以上被用者算定基礎届)
  • 被保険者報酬月額変更届(70歳以上被用者月額変更届) ※該当者がいる場合

まとめ

算定基礎届の作成では、対象者を正しく把握し、仕組みを理解することが大切です。
届け出を忘れたり、誤った届け出を出したりした場合、変更時まで遡って社会保険料が請求されることもあり、従業員にとっても企業にとっても大きな負担となってしまいます。
算定基礎届の提出は慎重に行わなければいけませんが、提出期限が7月1日から10日と短く、時間もかかります。
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